第5号 正しいこと、楽しいことをしよう
正しいことをしようというのは、何事を行うにも、自分の心の奥深くにある
本心・良心に照らし合わせて行いましょうということです。
日常私達は色々な判断を行いますが、その判断を目の前の損得ではなく、人
として正しいかどうかで判断しましょうということでもあります。
大きな決断をするときには、目先数ヵ月だけでなく、1年、5年、10年で
どうなのか、そしてとても大事なことは世のため人のためになるかということ
なのです。
どうして世のため人のためが重要かといいますと、世のため人のために行わ
れるものには、それを通して喜ぶ人たちの「喜びと感謝」が、前進への力とな
って現れるからなのです。
京セラの稲盛さんは、通信の自由化で、DDI社(現KDDI社)を創設す
るときに、半年間検討を重ねられたそうです。
そして私心ではなく、まさしく世のため、人のためになると確信できたとき
初めて新事業に着手されたとのこと。
これは、どのようなことを行う場合も当てはまります。例えば家を建ててい
る人に「あなたは何をしているのですか?」と聞くと、色々な返答が返ってき
ます。
Aさん:私は生活のために働いているのです。
Bさん:私は大工だから家を建てているのです。
Cさん:私は幸せに住んでいただける家を建てているです。
同じ家を建てているのにAさんは自分のため、Cさんは世のため、人のため、
Bさんはその中間です。
どうせ住むなら、Cさんが建てた家に住んでみたいと思いますし、Cさんの
姿が「喜びと感謝」の実践なのです。Cさんの笑顔が見えるような気がします。
同じことを行うにしても、「自分のため」にと行うか、「世のため人のため」
で行うかでその成果に大きな違いが出るのです。
それでは次の「楽しいことをしよう」に話を進めましょう。
正しいことと、楽しいことがあったらどちらをあなたは選びますか?。
天風哲学では「正しいこと=楽しいこと」だと私は確信しています。
でももし、日常正しいことと、楽しいことが違うと感じられることがあった
とすると、私は楽しいことを選ぶ方をお勧めします。
正しいことと楽しいことが、一致していない場合、往々にして、正しいこと
が、本心・良心の判断でなく、会社としてはとか、お金の面ではとかいった、
自分が置かれている環境からの判断である可能性が高いと思うからです。
そのような判断に基づいた行動を続けると、いつの間にか正しいと思ってい
たことが、実は反社会的な行為になっていたということがあるかもしれません。
初めの1歩を間違えると、最初の内は、正しい道とそれほど離れていません
が、あゆみを進める内にどんどん、正しいことから遠ざかって行きます。
最近マスコミを騒がせている事件の多くがそのような過程を経ているのでは
ないでしょうか。
一方、楽しいことには、間違った判断が入る余地はほとんどないでしょう。
最近スポーツ選手で、試合前「楽しみます」と爽やかな笑顔で言う方が増え
てきましたが、そういう方は本当にリラックスして楽しみ、そして観てる人も
楽しませてくれます。
楽しく感じるのはもう無条件に楽しい。これは、まさしく本心・良心そのも
のなのです。
一日一日、正しいこと、楽しいことを「喜びと感謝」で実践しましょう。
さてそれでは天風哲学が説く、本心・良心を育てる方法についてご説明しま
しょう。
それは安定打座という方法です。天風式座禅法とも呼ばれています。
座禅で無心の境地になるのは結構修行を要するそうですが、安定打座法はだ
れでも簡単に無心の境地に入ることができるようにと天風師が公案された方法
です。
創刊号でもご説明させていただきましたが次のような方法です。
正座、あぐらなどの姿勢で、背骨を真っ直ぐ伸ばして座ります。そしてブザ
ーの音に心を集中して一心になり、ブザーが消えた瞬間無心になります。ブザ
ーを用いることにより、簡単に無心の境地まで行ける方法なのです。
一人で練習するときはブザーの代わりにチーンとなる鐘を鳴らすと良いと言
われています。その鐘の音に一心に聞き入り、鐘の音が聞こえなくなった瞬間
に無心と「なります」。
「なります」というのは、なろうとしてなるのではなく、まさしく自然にな
るからなのです。
安定打座でなくても無心になれればいいのですが、中々無心になるのは難し
いのです。「無心、簡単じゃないか、無心、何も考えなきゃいいんだから」
と考える人は実は無心になることを考えていたりするんです(^_^)。
その無心を簡単に現実化できるHowToDo。
これもシンプルですが、素晴らしい方法です。
真理はいつもシンプルなんですね。
★行法の内容は、成功の実現を始めとした、次のシリーズ本に書いてありますので、そちらをご覧くださいね。
成功の実現
盛大な人生
心に成功の炎を
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☆☆☆ありがとうございます☆☆☆
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発行元:アクティブウェブ
編集:荒滝俊政
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