1.d クンバハカ!
先日クンバハカについてとても興味深いお話がありましたので、少々長くな
りますがご紹介させていただきます。
それでは、早速はじまり~、はじまり~。
テーマ ■■■クンバハカについて超基本的な疑問■■■
クンバハカについて超基本的な疑問がどうしても消えません。
クンバハカに関して
【1】 肛門を締め上げる
【2】 肩の力を抜く
【3】 臍下丹田に氣を込める
というのがありますよね。
この【3】の臍下丹田に氣を込める、ということなんですが、真人生の探求
には「下腹部に力を充実せしめる」とあり、安武先生の「健康と幸福への道」
にも「下腹に力を込める」
とあります。しかも、下腹に力を込めるということに関して生理学的な説明ま
で加えられています。(P.151)
安武先生の本は昭和47年初版ですから、このころは天風先生は既に他界さ
れています。とすると、天風先生が「氣を込める」に変更したのではないとい
うことになります。
天風先生の神経反射の調節法の講習会のテープでも、
「今まで心で受けていたショックを、これからは腹で受けるんだよ!!」
と喝破されていました。
天風会の説明では氣を込めるということに関しては、
「氣がこもったと思えばいいんだ」
という説明をしていますが、どうもこれがしっくりこないんですよね~。
やっぱり力を込めた方が、ショックに対して強い体勢のような気がするんで
すが。
回答1 「肛門を締めるその(意識上の)先端で、
グッと下腹を内側から押し出す」
僕が今までに聞いた説明で自分が一番しっくり「これだ!!」と感じたのは
肛門を締めるその(意識上の)先端で、グッと下腹を内側から押し出す感じで
す。
個人的な見解ですが、上記のようにやれば肩の力がストンと抜けるはずです。
とにかく、肛門を締めるだけで肩の力がスッと抜けるようになった時は感動
です!!!
寝る前にキュッと肛門を締めるだけでリラックス出来るようになります。
(一言コメント)
なるほど、肛門を締めながら、グッと下腹を内側から押し出すと、肩の力が
ストンと抜ける。肛門を締めるが最初に来るんですね。
フムフム。なるほど~~~。
回答2 「笑っている状態がクンバハカ状態」
簡単に言えば、笑っている状態がクンバハカ状態ですよね。
笑って歩けばいつもクンバハカ状態でしょうか?
日頃クンバハカが正しくできているかどうか自分で判断できるのではないだ
ろうかと思います。
私今は、肩こりありませんが、肩こっていたとき、笑うと肩こりがやわらい
だものです。
柔道でも自分より弱い人を相手にするとき、笑いながらやると強かった記憶
があります。又、一度だけ柔道において自分の力が最高に発揮できたことがあ
るのですが、そのときは自然にクンバハカ状態のようになっていたと感じてい
ます。
オリンピック選手なども競技中は、自然になっているのだと思います。
(一言コメント)
「笑っている状態がクンバハカ!」=「笑っている状態が最も尊い状態」
だから天風会では、笑え!で3回笑うんですね。
「ワッハッハ!ワッハッハ!ワッハッハ!」と。これやると本当に楽しく
なるんですよ(^_^)v。
回答3 「気持ちを丹田に持っていっている状態」
気持ちを丹田に持っていっている状況だと思っています。
ほんのりと。
そうすると、何かあっても、その現象に心が持っていかれない。
丹田に残っている気持ちがそっちじゃないと教えてくれる。
もう随分前ですが、丹田にしっかり気を込めれば良いと思っていたころがあ
りました。
それで、ある発表のときそれをやったら、上気して(あがって)しまいまし
た。
それ以来、丹田にはふんわかと気持ちを持って行くのが良いと思っています。
(一言コメント)
この文、実は私荒滝でした(^_^;)。
回答4 習い事もそうだけど、不器用でも、取り敢えず続ける、
続けられる人が、結局、目的の物、手に入れてるかもしれないね。
私も、始めたばかりで、全然上手く出来ないけど、行修会に参加するように
なって、天風会の出版物も読むようになって、ネットのその種の文章も読むよ
うになって、
“今すぐ出来なくても、いつか、出来る様に、
何となく感じるようになって、
これかな? って日が来るのでは?・・・”と思っていました。
習い事もそうだけど、不器用でも、取り敢えず続ける、続けられる人が、結
局、目的の物、手に入れてるかもしれないね。
(一言コメント)
続けることが大切。継続は力なり!その通りですね。
回答5 「クンバハカはヨーガのクンバカとは違います」
クンバハカは天風先生の特製語と、山田務名先生にお聞きしたような記憶で
す。和製ヒンドウ語とでもいいましょうか?
ヨーガでいう「クンバカ」は、「息止める」ことと理解しています。
天風道では、クンバハカは、3大密法の1つで、かならずしも「息を止める」
ことではありませんね。
クンバハカ---絶対クンバハカ・・・・・・・・・・・息を止める
--相対クンバハカ(または、ソフトクンバハカ)
息は止めない
クンバハカの大切な3つの行法(要件)は、
1.肛門を締め上げる
2.肩の力を抜く
3.気を丹田におく(下腹に力を入れる)
絶対クンバハカの体制をとることで、瞬間的に起こるショックやストレスを、
受け流し、心身一如で凄い力を受ける事ができます。
歩いていても、坐っていても、人と話していても、クンバハカ体制にあるよ
う行修します。寝ているときでも、クンバハカできるようになるそうです。
昔の武士が、夜中に忍び寄る敵の、わずかな動きを察知したというのは、ソ
フトクンバハカの境地です。
さらに、クンババハカをつきつめて行修してゆくと、瞬間活法ができます。
瞬時に活力が入ってきて、力をいただけます。
軽いものでしたら、蚊やアブに刺された痛みが消えたり、外から押しつぶさ
れような力をうけて、肋骨が折れそうになったとき、クンバハカで力がモリモ
リ・・・・・
密法の密法たる所以です。
ですから、ヨーガの経験の深いかた、単に「息止める」ことと単純に考えない
ようにしましょうねえ。
回答6 「ヨーガ行法とクンバハカの対応付け」
天風先生が私たちに真我に目覚める方法を、ヨーガの教えから掴んで天風教
義として教えられた行法の一つが「クンバハカ」だという事は理解できました。
ヨーガの目的は本山博先生によると、「聖なる対象、内なる真我(あるいは
神)との統一、合一を目指す行法なのです」(密教ヨーガ:宗教心理出版より)
とあり、その行法は皆さんもご存知の様に、八つの階梯があります。いわゆる
「ヨガ行法の八支則」です。
(1)ヤーマ(悪い事はしない)
(2)ニヤーマ(善い事をする)
(3)アーサナ(姿勢)
(4)プラナヤーマ(呼吸法)
(5)プラテイヤハーラ(制感)
(6)ダラーナ(精神集中)
(7)デイアーナ(瞑想)
(8)サマージ(三昧)
そして、八支則は次の5つの訓練に大きく分けられます。
1.道徳的訓練(心の浄化、調和、安定をうる)(1)と(2)
2.身体的訓練(気と血液の循環、神経機能・筋肉の動きを整える)
(3)と(4)
3.精神的訓練(意識の内面化やコントロールを通して、自我の殻を破る)
(5)と(6)
4.霊的訓練(意識を超えた超意識、霊的存在との交渉)(7)
5.神霊との合一、悟りの達成(主客合一の達成)(8)
そこで、この「ヨガ行法の八支則」に天風先生の教えの「クンバハカ」を当
てはめて見たいと思います。私の勝手な解釈ですので、間違っていたらご指摘
ください。
たぶん、「クンバハカ」の示すところは八支則の(1)ヤーマから(6)ダ
ラーナまでの行法に相当するのではないかと思います。
という事は(1)ヤーマから(6)ダラーナまでの行法が1.道徳的訓練、
2.身体的訓練、3.精神的訓練としてある程度のレベルで訓練されていない
と、「クンバハカ」状態を自覚する事は難しいのではないかと思われます。
私は、前記の如く八支則の(1)ヤーマから(6)ダラーナまで含んでいる
と思えますし、自分自身が(1)ヤーマから(6)ダラーナまで、まだ十分に
出来ていませんので、【1】から【3】だけで、「クンバハカ」状態が実現で
きるのであれば、非常に効率的な行法だと思います。
ところが素朴な質問【3】の行法はテクニック的に多くの人には理解しにく
い事だと思います。
【3】の「気」を込めるとありますが、「気」をどの様に捉えるか、又は「気」
ってなんだろうという事で、各自の解釈の仕方だったり、体験の仕方で、やっ
ぱりいろいろな意見が出てくるのは当然だと思います。「気」を「意識」と解
釈するのか、実在する「物理的エネルギー」と捉えるかによっても、大きく変
わってしまいます。
ここが論争になっている様に思いますし、ここの具体的テクニックをいろい
ろな方に理解していただく方法が必要と思われます。
丹田の行法は天風会以外にも、これまた、多くあるという事も事実なんだと
思います。
(一言コメント)
いや~。勉強になります。ありがとうございます。
回答7 「本格的 天風会 模範回答」
クンバハカ とは、印度ヨーガ哲学の秘法クンバハカ密法と称するものから
引用して、私が創意した特殊の体の持ち方なのである。便宜上これを、
「自己調和法」と名づける。
(新しい方の「真人生の探求}P194神経反射作用の調節法より)
天風先生は・・・世の中には、自分の過去と同様に、病弱や、悲運に、恵み
の漲(みなぎ)る人生をむしろ懊悩(おうのう)して活きている気の毒な人が、
事実において余りにも夥(おびただ)しいという実状を見て、敢然私は一切の
第二義的人間欲望である、すなわち出世成功をしてみたいとか、地位や名誉や
富を作って見たいという欲念を断乎として打捨て、ひたすらに、この自覚の誘
導と潜勢力の現実発現の実践的手段と方法の実際教導に、全生涯を捧げること
に決意し、三十余年前から今日に至るまで、講習会組織の下に、有縁の人々に
斯法(しほう)を宣布強化するため、及ばずながら努力して来たのである。
(同 P36潜勢力の発現 より)
ここにいう、「この自覚の誘導と
潜勢力の現実発現の実践的手段と方法の実際教導」の
自覚とは{人間というものは、多くの人々の思っている
ものよりも、遥かに尊いもの、遥かに崇高なものだ}という
ソクラテスの説いた、汝自身を知れ の解釈であり、
人間に存在している潜勢力が その尊さの証明と説きます。
自分の生命の内奥に偉大な潜勢力というものが実在している
ということを信念していないために・・・その発現に関する
手段方法というものを、考えようともしない。・・・
一心に潜勢力発現の手段と方法を実践躬行(じっせんきゅう
こう)することこそ・・
義務と責任・・・と、説いています。
■「人生建設に絶対的に必要とする生命の力」を便宜上大別
して六つの分類★体力★胆力★判断力★断行力★精力★能力
として説明。
■人生の根本理想の四条件★長さ★強さ★広さ★深さが満た
されている姿を説明。
■人間本来の面目に即応する絶対的純正生活法を
「心身統一された生活法」としてその手段と方法を 講習す
るのが 天風会です。
そのためには、
(1)精神を「精神生命の法則」に
(2)肉体を「肉体生命の法則」に
順従して生活すること、と続きます。
精神生命の法則に従った、精神生命の生活態度の決定を
先決問題とし、肉体姓名の法則を知ることをその第二とする
のが、天風哲学の主張であり、精神生命の生活態度の決定は、
<精神生命保持の法則>
<精神生命使用の原則>
という二つの条件の実行が重要と説きます。
<精神生命保持の法則>
精神生命を、如何なる場合にも、積極的に把持すること。
<精神生命使用の原則>
精神を使用する時は、必ず精神を統一して行うこと。
に要約されます。
天風先生の優れたところは、この方法の伝授について、
工夫に工夫を重ね、「積極精神作成の実際方法」を、
特殊組織の下に創意工夫したところにあります。
「明るく」「朗らかに」「活活とした勇ましさ」で
人生に活きる方法です。
それでは積極精神作成の実際方法としてどんな手段を心に施すべきか?
というと、その第1条件として必要なことは「精神生命に固有される感応性能
(Suggestibilitaet)というものの積極化」を現実にすることである。
それには三つの条件が解決されれば、容易にその目的を達成し得るのである。
その三つの条件とは、
(1)観念要素の更改
(2)積極観念の集中力養成の実践
(3)神経反射作用の調節
換言すれば、三条件が完全に解決されなければ、積極精神の完成もまた完全
にならぬということになるのである。
(同 P108感応性能の積極化 より)
漸く、クンバハカの心身統一法の中の位置付けが
天風哲学の 考え方に基づく クンバハカの重要性が
お分かりでしょうか?
このあと、応用法や さまざまな効果についても、
懇切に解説されています。
皆様が、検討されてきていたのは、この効果についてが
多かったようです。総合して活きてくるものという 示唆が
ございましたが、全くその通りであって、三つの条件を全て
努力して頂いて はじめて 全体効果が「心身の統一された
人生生活様式」の完成に向けて、及んでくるものと思います。
その方法として、解り易く特にP181からP184にかけて、
肛門を締めることを解説しています。ご参照下さい。
そして、この辺りまでが 黒表紙の誦句集で説かれる
(あれは、講習会のまとめの誦句ですから)要諦です。
さらに、心の奥の世界に入る密法として、安定打座が
別の書物「安定打座考抄」で、説かれます。
それは、概ね緑の誦句集(専科講習会)の範囲です。
長くなりましたが、より詳しくは 原典をお確かめ下さい。天風会の方法は
その理論根拠も 詳細も 公開されています。
しかし、密法の名のように 人格対人格で 直接面接して教え伝えないと伝
わりにくいものがあります。最期に、その点の説明をP36から引用します。
本書編纂の目的も、既に冒頭辞及び序言にも述べたとおり、人格と人格との
接触教化の因縁に恵まれ得ない人々にも、造物主から人間各自に与えられた幸
福の特権を把握させ、その本来の面目を発揮して、進化と向上の現実化という
大使命の遂行を完うし、よく世界の平和と協調とに同化するような、真の日本
を建設し得る真人を、一人でもふやしたいという、本願の一念に外ならないの
である。
(一言コメント)
しっかり書いてあるんですね。「真人生の探求」に!。ありがとうございま
す。
このお話を契機に、私も「安定打坐考抄」を読み直してみました。すると、
次の一文が目にとまりました。
★★★信念を根強くするために安定打坐は最も適切な方法★★★
また、新しい気づきをいただきました。ありがとうございます。
↓中村天風師の教え、ぜひあなたもご一緒に学びませんか?!↓
成功の実現[中村天風述]
盛大な人生[中村天風述]
心に成功の炎を[中村天風述]
君に成功を贈る[中村天風述]
中村天風 成功哲学三部作<講演CD付>
☆☆☆ありがとうございます☆☆☆
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発行元:アクティブウェブ
編集:荒滝俊政
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天風哲学のすすめ・哲人中村天風師の教えとは
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