1.b 有事もより一層積極一貫!
今回は「すべてを」を「有事も」に置き換えて、「有事も喜びと感謝で迎え
る」というテーマでお話しさせていただきます。
仕事なり、健康なりで、思わぬ事態となったときの心の持ち方です。
一言で言うと、「喜びと感謝」しかないのですがなぜそれが大切かについて
考えてみます。
何か良くないことがあった場合、それの解決に全力を尽くすのは当然なので
すが、その時の心の持ち方で、その後の状況が全く変わってくるのです。
「積極」:「喜びと感謝」で対応すれば、明るい展開が開け、その逆の
「消極」:「怒り、恐れ、悲しみ」などで対応すれば、明るくない展開となり
ます。
有事も「喜びと感謝」で迎えるには、「何かが起きるのが人生なのだと」ま
ずは断定するのがポイントでしょう。もっと言うならば、「何も起きない人生
なんて面白くないでしょう?」とおっしゃる方もいます。
そして、「世の中に起ることは必要・必然」ですから、何かを教えてくれる
ためにこのような状況となっているのだと、「喜びと感謝」で積極的に状態を
打開して行くことが大切なのです。
間違っても、「どうしてこんなことになったのだろう」とか、「何で私が」
とかいった「不平・不満」には思わないで、かつ言葉にもしないことです。
なぜなら、そのような思考、言葉からは何も生まれてきませんし、ただ自らの
力を弱める働きにしかならないからです。
「あのときにあれをしなければ」良かったとか「このままではどうなるの
だろう」とかいう、楽しくないことを考えることも厳禁です。
天風師はそれを取り越し苦労厳禁といましめていらっしゃいます。昔の言葉
「心は現在を要す。過ぎたるはおうべからず、来らずはむかうべからず」も引
用して、取り越し苦労は「百害あって一利なし」と説かれていますがまったく
その通りだと思います。
こんな状況はどう見ても感謝できないという状況であっても、なおかつ「喜
びと感謝」が必要なのです。
なぜならば、そのことによってのみ、素晴らしい人生を拓いて行くことがで
きるからなのです。
それが真理です。
端的に言うと「どっこい生きている」生きていること自体に「喜びと感謝」
を見出すのです。
ここで、私の大好きな誦句の一つ、運命の誦句をご紹介させていただきます。
運命の誦句はどんなときにも積極一貫「喜びと感謝」で活きることの大切さを
説かれています。
「運命の誦句」(黒の誦句集18ページ)
およそ宇宙の神霊は、人間の感謝と歓喜という感情でその通路を開かれると同
時に人の生命の上に迸(ほとばし)り出(い)でようと待ち構えている。
だから平素できるだけ何事に対しても、感謝と歓喜の感情をより多く持てば、
宇宙霊の与えたまう最高のものを受けることができるのである。
かるが故に、どんなことがあっても、私は喜びだ 感謝だ 笑いだ 小躍(こ
おどり)だと、勇ましく溌剌(はつらつ)と人生の一切に勇往邁進(ゆうおう
まいしん)しよう。
(中村天風師)
天風哲学では、何としても消極的な心になってしまうときには、それこそク
ンバハカの修練にもっとも都合の良いときだから、より一層真剣に実行するよ
うにとも説かれています。
ヨガ哲学の最高密法のクンバハカについて書かせていただき、改めてその大
切さに気付くことができました。ありがとうございます。
クンバハカでは、肩の力を抜き、丹田に気持ちを込め、肛門を締めます。
それによって人間が最も神聖な状態になれるのです。この素晴らしい方法を簡
単にそして分かり易く教えていただいた天風師に心より感謝して本テーマを完
了とさせていただきます。
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発行元:アクティブウェブ
編集:荒滝俊政
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